
株式会社丸冨士様の導入事例
事業内容を教えてください
丸冨士は1957年に長野市で創業した、パン店や菓子店向けの総合支援会社です。祖父の代は善光寺の甘味処向けに砂糖や水飴の卸売業から始まり、父の代でパン店や洋菓子店にも取引先を広げた歴史があります。 現在は製菓製パン原材料の販売から加工機器、包装資材の提供、さらには店舗の独立開業支援や厨房機械のメンテナンスまで、ワンストップでサポートしています。
私たちは単なる「卸売業」ではなく「モノを介したサービス業」として事業を位置づけています。地元で長く事業を続けていくために、自分たちが儲ける以上に、お客様が収益を出せる事業づくりのお手伝いをしたいと考えています。 食には人々の心を満たす重要な役割があり、地域の食文化を豊かにすることが私たちの使命だと考えています。
現在では地元長野・新潟を中心に全国4,000社のお客様とお取引させていただき、製菓製パン材料2,000アイテム以上を取り扱っています。

FAXと電話中心の受注体制が業務を圧迫
Bカート導入以前の課題を教えてください
2017年に28歳で3代目として事業承継した際、最も深刻だったのは非効率な受発注業務のでした。当時の注文の多くは電話やFAXが中心で、 お客様から「いつもの小麦粉」と注文されるなど、ベテラン社員しか理解できないやり取りが日常的に行われていました。
このアナログで属人的な体制により、注文間違いや配送忘れなどの受発注ミスが頻発。お客様から「注文が届かない」「違う商品が届いた」という連絡があるたび、 担当者が半日かけてお詫びに回る状況でした。さらに、自社システムへの転記作業では従業員によって入力ルールがバラバラで、棚卸時に「なぜこの商品を入荷しているのか」「在庫があるはずの商品がない」といった問題の発生も日常茶飯事でした。商品説明はすべて紙のカタログに依存しており、価格改定や商品入れ替えに追いつかず、シールを貼って対応するしかありません。 また、紙ベースの経理処理により月次の正確な在庫金額が把握できず、適切な経営判断に支障をきたすほどでした。
これらの課題が積み重なり、事務作業が1〜2時間延び、営業が急遽対応で半日つぶれることも多く、毎月20時間ほどの残業が発生していたのです。 私はこの状況を「水がこぼれ続けているバケツの穴」と表現し、抜本的な改善が急務だと感じていました。
どのような経緯でBカートを導入されたのでしょうか
デジタル化できる、さまざまなサービスを検討する中で、卸売業特有の複雑な商取引に対応できるシステムを探していました。 Bカートの最大の魅力は、顧客ごとに異なる価格設定を細かく調整でき、購入可能な商品の制限も自由に設定できる点です。
BtoB取引では、同じ商品でも取引先によって価格や取引条件が全く異なるため、この柔軟性は必須機能でした。 加えて、UI(ユーザーインターフェース)がシンプルで直感的に操作できる点も大きな決め手になりましたね。
また、豊富な連携サービスが用意されており、将来的な拡張性も期待できます。 私たちの目標である「バケツの穴をふさぎつつ、同時に売上も伸ばす」ことを実現できるプラットフォームだと確信し、導入を決定しました。
属人化解消と全国展開を同時実現
Bカート導入後、どのような効果がありましたか
導入効果は予想を大きく上回るものでした。まず業務効率化の面では、Bカートを活用したECサイト「マルストック」により、受発注業務が自動化。 受注量が1.5倍に増加したにもかかわらず、毎月20時間あった残業がゼロになり、受発注ミスも劇的に減少したことは大きな成果です。
RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)の活用により、領収書のメール送付や納期連絡も自動化され、連絡漏れも解消されています。 ベテラン社員でなければできなかった属人的な業務が標準化され、誰でも対応できる体制が構築できました。
売上面では、さらに劇的な変化が起こっています。従来は地元300社との取引でしたが、マルストック運営開始後、 全国から注文が入るようになり、会員数は4,000社まで拡大。マルストックに登録した商品がSEO的に高く評価され、 検索サイトの上位に表示されるようになったことで、「自社のサービスを伝えきれていない」という従来の課題も完全に解消されました。
EC事業だけで年間3億円超の売上を達成し、これが会社全体売上の3割を占めるまでに成長。 会社全体の年間売上は10億円に達し、社員1人あたりの労働生産性が大手企業並みまで向上しています。 その結果、年間休日120日を確保しながら業種平均を上回る賃上げを実現できています。
今後の展開について教えてください
創業以来大切にしてきた長野・新潟の地元店との関係を基盤に、マルストックという成長エンジンを得たことで、 「地域の食文化を豊かにする」という目標をより大きなスケールで実現できると考えています。 これまでは地元中心でしたが、今後は全国どこの店舗でも応援できる体制が整いました。
私たちが目指すのは、単なる材料販売ではなく、パン店・菓子店様の成功パートナーとしての役割です。 お客様が収益を上げ、地域の人々に愛される店舗づくりをサポートすることで、日本全国の食文化向上に貢献していきたいと考えています。
株式会社丸冨士
〒380-0918
長野県長野市アークス 8-20
https://maru-fuji.biz/
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BtoBサイト
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取扱商材
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運用形態
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導入目的業務効率化、受発注ミス解消、属人化解消、全国展開
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従業員数-
