導入のきっかけは決済だった!一軒ごとに違う商品と価格をECで再現した鰹節問屋の話

株式会社マルサヤ
管理部・企画部 本部長 熊澤 曜吾樹 様

株式会社マルサヤ様の導入事例

商品の半分以上が「お客さま専用品」の鰹節問屋

事業内容を教えてください

株式会社マルサヤ・熊澤:昭和37年の創業以来、 鰹節や昆布、煮干しといった和風だしの素材を卸してきた問屋です。お客さまの多くは、味にこだわり、 自分の好みの素材を問屋から直接仕入れたい個人経営の専門飲食店で、お取引の99%以上がBtoBとなっています。

お客さまを業態別に見ると、現在はラーメン店がいちばん多く、古くからお付き合いを続けてきたそば屋やうどん屋も多数を占めます。 お取引先は、北海道から沖縄の日本国内に加え、海外のお客さまも含めて6,000軒ほど。本社が東京にあるため関東圏のお客さまが中心ですが、 営業が現地を回ったり、出張したりしながら全国のお客さまをフォローしています。

商品構成に特徴があるとうかがいました

株式会社マルサヤ・熊澤: 商品の半分以上が、そのお店だけに納める「お客さま専用品(特注品)」になっています。 たとえば、「カツオとソウダガツオとサバを、この配合でブレンドした削り節をつくってください」といったご要望をいただいて、 そのお店専用の特注品に仕立てて、そのお店ならではの味を作っています。

だしの好みはお店ごとに違いますから、我々から「これがいいですよ」と押し売りはしません。 一軒一軒の味づくりに合わせてご提案するのが私たちのやり方です。 また、NB品も400〜500種類ありますので、お客さまが求める商品はほとんど提供可能だと思います。 お客さまごとにお使いになる商品は違いますので、商品と単価はお客さまごとに個別登録して、 いつもの商品をすぐに間違いなくお届けできるように管理しております。

受発注のEC化ではなく、決済が入り口だった

Bカート導入以前の課題を教えてください

株式会社マルサヤ・熊澤: じつは最初から、BtoB ECサイトをつくろうと考えていたわけではないんです。

弊社では、現在も電話とFAXでの注文も受けており、一部の注文や入金状況はCSVファイルでも管理しています。 月にやりとりするお取引先は、平均4,000〜5,000社ほど。

そんな状況のなかで、課題に感じていたのは「決済」です。

飲食店向けの商売では、いまも現金でのお取引が多く、代引きで商品をお送りするケースも少なくありません。 一方で、お取引先である飲食店のキャッシュレス化も進み、手元に現金を用意していない店舗が増えてきました。 そうなると、私たちへの支払いもカードで済ませたいというお客さまが少しずつ増えてきたのです。 とくに新しく開業される方は現金以外での取引を希望されます。

そこで初めは、カード決済に登録していただく「メールリンク方式」のサービスや、メールで請求書をお送りするWeb請求サービスを取り入れました。 ただ、飲食店の方にはなじみの薄い仕組みで、カード決済のご案内メールが見落とされたりしていましたし、 請求書も「紙でほしい」と言われることが少なくありませんでした。

受発注そのものは、飲食業界で広く使われている受発注サービスも活用しています。 ただ、決済手段までは持っていないため、注文と支払いを一度に完結させることはできません。 それならば、注文したその場で決済まで完了する仕組みのほうが受け入れられそうだと考えて、 カード決済ができるECサイトを作る発想にたどり着きました。飲食業界の特性上、与信管理を自社で行うのがなかなか難しい現状があるのも、 カード決済を考えた理由のひとつでした。 あと、カード決済を導入している問屋はまだ少ないので、「営業の武器」にもなる。そうした狙いもありました。

Bカートを選んだ決め手を教えてください

株式会社マルサヤ・熊澤: 数社のサービスを比較検討しました。私たちの商売に合うのは、不特定多数の方が商品を選んで購入するBtoCサイトではありません。

まず、既存のお客さまに「いつもの商品」を手軽に注文していただける仕組みにしたいと考えていました。

そうなると、さきほどお話しした顧客ごとの商品と単価を、ECサイトにも簡単に登録できるかどうかがいちばんのポイントになります。 Bカートは顧客別の商品・価格設定を柔軟にできたので、そこが最終的な決め手になりました。 利用が決まっていたカード決済サービスのペイジェント(PAYGENT)との連携がしやすかったことも大きかったです。

もうひとつは、スモールスタートしやすかったことです。以前にWebで受注できる仕組みを試してうまくいかず、 クローズした経験があったため、初期費用を大きくかけずに始められ、うまくいかなければ撤退もしやすい点は、ありがたい条件でした。

顧客別価格設定で、一軒ごとに「いつもの商品」を出し分ける

サイトはどのような構成にされたのでしょうか

株式会社マルサヤ・熊澤: ログインしていただくと、まずそのお客さま専用の「いつもの商品」が並びます。 あらかじめ登録してあるため、手間をかけずにそのまま注文できる状態です。

そのうえで、いつもの商品と併せて「おすすめ商品」や「新商品」も画面に並べています。 「いつもの商品」を購入するお客さまにも、ほかの商品を目に留めてもらう機会を作りたかったからです。 それ以外の要素は加えず、あえて非常にシンプルなつくりにしています。

顧客ごとに商品や価格を出し分ける仕組みは、どのようにつくられたのでしょうか

株式会社マルサヤ・熊澤: お客さまごとの商品は、もともと基幹システムにすべて登録されているのですが、これをそのままBカートにも登録しています。

お客さまが新しい商品を購入されたり、別の商品に切り替えられたりした場合は、 その都度「いつもの商品」に反映し、次回から手間なく注文できる状態に。 商品を登録したら、お客さまごとに割り振った会員番号に紐づけて単価を設定し、 そのお客さま向けの商品と価格をログイン後の画面に出し分けています。 念のため、基幹システムとの整合性を保つために、自社で開発したチェックツールで登録確認もしています。

そこまで「いつもの商品」にこだわるのはなぜですか

株式会社マルサヤ・熊澤: お店のレシピはそう頻繁に変わるものではないので、お客さまがログインして、「いつもの商品」を迷わず注文できることが、 お客さまにECサイトを使い続けていただく肝だと考えているからです。 導入当初からBカートのパートナー企業さんに「こんなサイトを作りたい」とご相談し、狙いどおりの形にすることができました。 Bカートを選んで本当によかったと思っています。

カード決済と業務効率化。電話注文も残して段階的に

導入後、どのような変化がありましたか

株式会社マルサヤ・熊澤: まず、目的だったカード決済の導入が叶いました。スマホからでも手軽に注文していただくことができ、その場で支払いまで完了します。

厨房で作業をしながら、パソコンを開いて注文するのは大変です。ECサイトはブラウザだけで完結するので、休憩の合間にでも注文していただけます。

現在は400社弱のお客さまにBカートからご注文いただいています。サイト上の決済はクレジットカードのみで、飲食店からのご注文が中心です。

また、受注の効率化にもつながっています。受注データをCSVで取り込み、お客さまごとの発送指示書に落とし込むところまでが自動化されました。カード決済分の入金も月に一度まとめて入ってくるため、Bカート上のデータと突合して一気に取り込んでいます。

営業が受注の電話を受けることも減り、そのぶん、より重要な顧客対応や営業活動に時間を使えるようになりました。

想定以上の効果が生まれたのはクロスセルです。 お客さま専用品ではない「おすすめ商品」や「新商品」も表示されていると見てくださる方が多く、一緒にお試し購入していただくケースがあります。

Bカート導入を社内にはどのように浸透させましたか

株式会社マルサヤ・熊澤: Bカートのメリットや使い方をまだ十分に理解していない社員も一定数いたため、説明会を開きました。 お客さまにメリットがあるカード決済の導入という分かりやすい入り口から説明しながら、 営業自身のメリット(受注効率化やクロスセル効果)もあわせて説明し、浸透させていきました。 営業にもお客さまにもメリットがあることを、少しずつ理解してもらった形です。 実際に「営業が直接案内しなくても新しい商品の注文が入った」という実感が出てくると、営業も自分から積極的に勧めるようになりました。

お客さまへの案内はどのようにされましたか

株式会社マルサヤ・熊澤: メールを送るだけでは見ていただけない方が圧倒的に多いので、まずは登録をご案内するチラシをつくって、営業がお配りするところから始めました。 とはいえ、Bカートへの切り替えを強制はしていません。昔ながらのお客さまには電話で注文したい方もいらっしゃいます。 選択肢がいくつもある状態にしておきたいというのが基本の考え方です。

今後の展望

マルサヤ・熊澤: Bカートを導入して2年ほど経ち、会員数や登録数は着実に増えています。 直近で進めたいのは、やはり決済の拡大です。掛け払いなど、クレジットカード以外の非現金決済の手段も増やしたいと考えています。

あわせて進めたいのが、サイトで紹介するレシピをもっと増やしていくことです。 「この料理にはこの商品がおすすめです」と、こちらからご提案しながら注文していただけるようにしたい。 現在、社内で知見を蓄えながら、少しずつ充実させているところですが、そうしたコンテンツが増えていけば、 お客さまにとってもマルサヤが何を提案できる会社なのか、より方向性が分かりやすくなっていくと思っています。

株式会社マルサヤ

〒143-0013
東京都大田区大森南1-9-7
https://www.marusaya.co.jp/

  • BtoBサイト
  • 取扱商材
    食品(業務用だし素材 ※鰹節・削り節・昆布・煮干しなど)
  • 運用形態
  • 導入目的
    業務効率化、カード決済の提供
  • 従業員数
    46人(2026年9月現在)

公開日:2026年9月28日 公開当時の情報となります

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