デジタルマーケティングってなに?すぐに始められる手順を紹介

2021月7月5日
デジタルマーケティングってなに?すぐに始められる手順を紹介

仕事にも、生活にも、インターネットやスマートフォンはなくてはならない存在になり、さらにAIやIoTなどのテクノロジーも加わってきました。それらをいかにうまく活用するかで、マーケティングの成果も左右される時代と言えます。こういった活動の総称がデジタルマーケティングです。今回は、デジタルマーケティングの始め方から運用のポイントまでをご紹介します。

デジタルマーケティングとは

まずは、デジタルマーケティングの定義や概要を紹介します。

デジタルマーケティングの定義

デジタルマーケティングをひと言で表すと、「電子デバイスやインターネットを利用したマーケティングの総称」となります。検索エンジンで上位にヒットさせるSEO対策をはじめ、自社Webサイトへの誘導、閲読促進、SNSを活用した拡散のための施策、メールを使ったマーケティングなど、デジタルチャネルを使って集客や問い合わせを増やすための手法です。

Webマーケティングとの違い

よく耳にする言葉に「Webマーケティング」というものがあります。Webマーケティングは「自社のWebサイトへの誘導と、その後の販促を中心にした施策」に該当します。その中心となるのが、SEO対策により検索エンジンの上位にヒットさせることです。「Webサイトを軸に考えるマーケティング施策」と言い換えることもできるでしょう。

一方、今回のテーマとなる「デジタルマーケティング」は、Webサイトはもとより、SNSでの活動履歴、メールやメルマガの発信とその反応データなどを相互活用するもので、リアル店舗や電話での問い合わせ、展示会やフェアへの来場履歴、過去の購入履歴なども含めて、総合的にデジタルデータを管理・活用し、これまで以上に販促効果を高める手法となります。

デジタルマーケティングに注目すべき理由

続いては、なぜデジタルマーケティングの重要性が増しているのか、その理由について考えてみます。

デジタル全盛時代のマーケティング

現在は、スマートフォンやタブレットなどを持ち歩くことで、いつでもどこでもインターネットを利用できるようになりました。友人たちとリアルタイムにつながれるSNSコミュニケーションにより、価値があると思われる情報は瞬く間に拡散されていきます。Webマーケティングが「自社のWebサイトの来訪者を増やすこと」をマーケティングの目的にするのとは異なり、幅広く潜在顧客に対するリアルとWeb両面の接点を活用することが前提となります。

さらに、デジタルマーケティングのツールや素材としてのインターネット広告、ECサイトの発展などが追い風となり、リアル店舗とECサイト間でのシームレスな購買環境を提供するオムニチャネルなども実用化されています。デジタルマーケティングの環境は、ますます進歩発展しています。そのうえで、潜在顧客をターゲットにし、興味がありそうな、有用であると思われる記事をデジタル上で発信し、自社に興味を持ってもらい、サイトに直接誘引するための自社メディアを運用するコンテンツマーケティングも盛んになっています。

かつてのオンラインマーケティングや広告宣伝、DMのようなシングルソースでの運用ではなく、いくつものデジタル情報チャネル、販売手法、ツールを持ちより、相互に連携して運用することが大切なのです。

デジタルマーケティングの利点

このように顧客に与える情報を複数のデジタルチャネルで実施でき、さらにそれらを連携させて、より効果的に、実際の利用や成約へとつなげることができるのがデジタルマーケティングの利点です。

従来の広告は、放送や出版物に出稿したりDMを発送したりする「不特定多数への告知」か、もしくは購入者のような「すでに特定されている対象へのアプローチ」しかできませんでした。それがデジタルならば、ネット広告からの自社サイトへの誘導、メールから購入サイトへの移動と購買など、より実売につながる可能性が高いことになります。また、購買やサイトへのアクセス履歴をデジタルで管理することで、見込み顧客、潜在顧客も含めたマーケティング対象のセグメント化や、それぞれの特性を知りアクションプランを導き出すための分析など、付加価値の高いマーケティング情報を得ることもできます。今後は、IoTやAIといった技術との連携、マーケティングオートメーションの利用など、より膨大なデータをもとに適切なアクションを短時間で実施できるようになります。

デジタルマーケティングの運用

では、いよいよその具体的な導入について見ていきましょう。

導入から実施までのステップ

まずは、種類が増えてきたデジタルデバイスごとの対応について考えます。これまでPCでの閲読を前提にしていたWebサイトを、スマートフォンやタブレットにも対応させるだけでも効果が期待できます。これは、BtoCに限ったことではなく、BtoBビジネスでも効果が見込めます。ビジネスパーソンが通勤の車内でスマホを使ってビジネス情報を検索しているケースは意外と多いためです。
続いて、利用できるデジタル資産やツールを整理します。自社のWebサイト、Eメールのほか、リアル店舗やショー・フェアなどで、デジタルマーケティングにつなげられる仕掛けを考えることです。例えば、店舗に置くチラシや営業パーソンが配布するカタログなどにQRコードなどを印刷しておけば、サイトへの誘導率を高めることができます。

そして、大切なことは、顧客情報管理のデジタル化です。すでに顧客データはコンピュータで管理されていると思いますが、それらは売上や請求管理での用途が中心のはずです。CRM(顧客管理)やデジタル上での接触履歴、キャンペーンへの応募履歴、自社サイトへのアクセス状況などのデータを、マーケティングのために一元管理・運用できるデータベースでなければなりません。

効果的なデジタルマーケティングのために

続いては、デジタルマーケティングの具体的な運用です。次の視点や手順で検討、実施するのがお勧めです。

  • Segmentation(市場細分化)
    顧客を共通する要素ごとに分類し、情報を整理しやすくします。一般消費者の場合、年齢や性別、居住地域、購入頻度、金額などでグループ分けを行います。対企業の場合は、業種や業態、売上・従業員規模、主要製品・サービス、担当者の部署・役職、過去の問い合わせ内容、営業/サービスとの接触頻度、購入履歴などに分類し、アクションを検討します。

  • Targeting(市場の決定)
    市場の将来性や競合状況、自社の強みを生かせるか、といった観点で絞り込みます。既存顧客の中でも、アップセリング(上位品の販売)やクロスセリング(現在利用している製品を補完するような商材の販売)が可能か、系列企業へのアプローチができるかなどから優先順位をつけましょう。新規市場ならばどのようなセグメントにどのような方法で開拓していくかなどを検討することも必要です。

  • Positioning(自社の立ち位置)
    自社のブランド認知の状況、強み、競合との関係をはじめ、ブランディング、コミュニケーション手法、コンテンツなどを考えます。他社と類似した商材を、同じようなスタイルで販売しているのであれば、どこかに差別化ポイントを設けることで成功確率を高められます。

ただ漫然と、がむしゃらに営業をするのではなく、このような視点で自社の現状分析し、これからの方針を決めていくだけでも結果は違ってくるはずです。

デジタルマーケティングの優位点のひとつは、顧客の活動履歴がインターネットなどを経由して入手でき、それらの分析結果から「次の一手」を考えられることです。それを具体的にしたものが「カスタマージャーニーマップ」です。自社のWebサイトやECサイトのアクセス数と、その結果である売上数量や金額を集計するだけでなく、「いつ、だれが、どのように興味を持ち、どのようなページを経て購入へ至ったか」を分析してみることです。これにより、「何が訴求力となっているのか」、「購入者のニーズは何だったのか」を理解できるようになります。新しく販促キャンペーンを計画する場合も、カスタマージャーニーマップの想定下で実施することで、購買率や成約率を高めることができるのです。

また、デジタルで活動や実績を数値で管理できるため、それらの中からKPI(主要業績評価指標)を設定し、PDCA(計画から実施、その結果の評価と新しいアクションプラン実行の継続)での運用により、KPIを高めていくことです。

大変難しく、膨大な作業が必要なように思えるかもしれませんが、一度にすべてを構築するのではなく、できることから一歩ずつ、徐々に進めていきます。「ひとつ施策を実施すれば、何らかの効果が得られる」と考え、一歩一歩、経験を積み重ねるようにチャレンジを繰り返していくことが大切です。まずは、そのような流れで業務フローを考えてみましょう。

もしも、EC事業を新たにスタートさせる場合は、運用に必要なデータの取得や分析、アクションプランの具現化を支援してくれる機能があるECサービスを検討するのもひとつの方法です。

まとめ:デジタルマーケティングはネット時代の必須の手法

顧客情報やマーケティングの活動記録をデータで得られるのがデジタルマーケティングの優れた点です。それを十分に活用して、効果が発揮できるようにデータを収集・分析し、データに基づいた計画的なマーケティングを継続していけるようにすることがポイントです。

参考:

デジタルマーケティングとは?今さら聞けないマーケティング基礎知識|日立ソリューションズ

デジタルマーケティングの始め方~目的や手法をご紹介~|Marketing Story Lab

デジタルマーケティングとは?Webマーケティングとの違い、戦略立案、手法をご紹介|Marketo Engage

Webマーケティングとデジタルマーケティングは何が違うのか?それぞれの定義を解説|ferret

著者について
Bカート運営部
Bカート運営部 Bcart Operations Department

BtoBならBカート!で、おなじみのBカート運営部です。BtoB(企業間取引)のEC化を促進し社会にインパクト与えます。より良いサービスをご提供できるようスタッフ一同奮闘中!

Bカート ブログ

EC業界の最新ニュースやBカートの運営方法、マーケティング手法などをご紹介。Bカートブログを購読して最新の記事情報をメールで受け取りましょう。

いつでも購読を解除することができます