【2023年版】BtoB EC市場規模|経済産業省のデータを分析!

2023月9月11日
【2023年版】BtoB EC市場規模|経済産業省のデータを分析!

2023年8月、経済産業省が「令和4年度デジタル取引環境整備事業(電子商取引に関する市場調査)」を発表しました。この記事では、経済産業省のデータを基に、BtoB ECの市場規模について解説していきます。

2023年最新:BtoB EC市場規模の概要

出典:令和4年度デジタル取引環境整備事業(電子商取引に関する市場調査)

2022年の国内BtoB EC市場規模は420兆2,354億円に達し、前年比12.8%の増加を記録しました。また、EC化率も前年から1.9ポイント増加し、37.5%に達しました。

とりわけ運輸業の市場規模が増加しており、2022年度の運輸業界における市場規模は前年比20.3%増となる13兆3,433億円にもなっています。これには「物流の2024年」問題が関係しているとも考えられます。

物流の2024年」問題とは、2024年4月からトラックドライバーの時間外労働時間が制限されるというもの。多くの物流事業において輸送力の低下が懸念されるなか、物流全体のDX推進や効率化が求められ、BtoB ECの需要が増している可能性があります。

業界・業種別の市場規模とEC化率

建設:23兆4,598億円

(単位:億円)
2017年 2018年 2019年 2020年 2021年 2022年 前年比
市場規模 150,770 166,510 182,680 195,944 208,558 234,598 112.49%
EC化率 10.70% 11.00% 12.00% 13.10% 14.30% 15.20% +0.9

2023年度の建設におけるBtoB EC市場規模は23兆4,598億円となりました。EC化率は15.2%となっています。建設業界は2021年から2022年にかけて建設資材の高騰が話題となりました。その影響により必然的に流通額が上昇し、市場規模は前年比112%の増加と大きく増加しています。

食品製造:29兆6,444億円

(単位:億円)
2017年 2018年 2019年 2020年 2021年 2022年 前年比
市場規模 229,760 244,040 266,010 264,672 271,027 296,443 109.38%
EC化率 53.60% 55.60% 59.30% 63.30% 67.20% 70.70% +3.5

2023年度の食品製造業におけるBtoB EC市場規模は、29兆6,443億円となりました。EC化率は70.7%と、他業種と比べて非常に高い水準となっています。2020年のコロナ禍以降打撃を受けた食品製造業ですが、2023年5月のコロナの5類移行を受け、さらなる市場規模の拡大が期待されます。

情報通信:18兆2,616億円

(単位:億円)
2017年 2018年 2019年 2020年 2021年 2022年 前年比
市場規模 126,920 133,990 145,820 151,685 166,975 182,616 109.37%
EC化率 18.30% 18.80% 19.90% 21.00% 21.80% 22.30% +0.5

2023年度の情報通信業におけるBtoB EC市場規模は18兆2,616億円となり、2017年度から2022年度にかけて144%の成長を果たしました。一方EC化率は2022年度時点で22.3%と低い水準に留まりました。

運輸:13兆3,433億円

(単位:億円)
2017年 2018年 2019年 2020年 2021年 2022年 前年比
市場規模 93,130 97,550 104,610 96,843 110,884 133,433 120.34%
EC化率 15.70% 15.90% 16.80% 18.20% 19.20% 20.90% +1.7

2022年度の運輸業におけるBtoB EC市場規模は13兆3,433億円となりました。また先述のとおり、運輸業におけるBtoB ECの市場規模は前年比120%と大きく増加しています。

卸売:112兆8,794億円

(単位:億円)
2017年 2018年 2019年 2020年 2021年 2022年 前年比
市場規模 940,440 1,039,510 1,026,450 920,944 1,006,059 1,128,794 112.20%
EC化率 26.90% 27.70% 28.80% 30.60% 32.30% 34.90% +2.6

2022年度の卸売業におけるBtoB EC市場規模は112兆8,794億円となりました。EC化率は34.9%と高水準になっています。脱コロナが見えはじめ消費が活性化し、今後の拡大も期待される卸売業。2023年以降の動向にも注目が集まります。

国内BtoB ECにかかるトピック

IP網化にともなうINSネットの廃止

INSネットは、NTT東日本・NTT西日本が提供しているISDNサービスの名称です。1988年に提供が開始され、アナログ電話に代わる通信手段として広く普及しましたが、近年のインターネットプロトコル(IP)網の普及にともない、利用者は急速に減少。その流れを受け、NTTはINSネットのうち「ディジタル通信モード」の提供を2024年1月から段階的に終了すると発表しました。

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出典:総務省ホームページ

BtoB取引においては、INSネットを活用した仕組みが広く利用されており、NTTが移行を促しています。しかしながら、中小規模の事業者にとっては負担が大きく、受注者・発注者両方への影響は大きいと見られています。

適格請求書等保存方式(インボイス制度)の対応

2023年10月1日から施行される適格請求書等保存方式、通称「インボイス制度」は、BtoB取引を行う企業にとって、重要な制度変更となります。BtoB ECにおいても、このインボイス制度への対応は重要であり、適切な準備が求められます。

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出典:令和3年度デジタル取引環境整備事業(電子商取引に関する市場調査) 報告書

インボイス制度では、課税事業者は事前に適格請求書発行事業者として税務署への登録が必要な上、「適格請求書発行事業者登録番号」、「税率ごとの消費税及び適用税率」を追加した「適格請求書」を発行しなければなりません。また、請求書を発行する事業者は取引相手の求めに応じて「適格請求書」を発行する義務、請求書の写しを保存する義務も課されています。

おわりに

2023年のBtoB EC市場は、各業界において着実に成長を遂げており、その重要性がさらに高まっています。経済産業省のデータからも、業界別の市場規模やEC化率が拡大していることが明らかです。また、インフラの変化や新しい制度の導入により、企業はさらなる対応を迫られる場面が増えることが予想されます。

DX(デジタルトランスフォーメーション)が取りざたされるように、今後はこれまで以上にデジタル取引の実現が企業の競争力を左右することとなります。変化する市場環境に迅速に適応するためにも、BtoB取引におけるEC化の波にうまく乗っていく重要性が増していくでしょう。

著者について
Bカート運営部
Bカート運営部 Bcart Operations Department

BtoBならBカート!で、おなじみのBカート運営部です。BtoB(企業間取引)のEC化を促進し社会にインパクト与えます。より良いサービスをご提供できるようスタッフ一同奮闘中!

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