【2022年度版】BtoB-EC市場規模|EC化率は35.6%に成長@経済産業省
Bカートを導入するにあたってどのようなシステムとどう連携すればよいのでしょうか?この記事では代表的な4つのパターンで「システム構成」の例を紹介していきます。
1.中小企業の場合 ~販売管理システムとの連携~
・システム構成は販売管理システムが中心
まずは中小企業における、システム構成が見ていきましょう。多くの場合「販売管理システム」と「会計ソフト」を導入しており「自社拠点から出荷」しているのが特徴です。
・小口は電話FAX、大口には営業担当をつける
販売チャネルと顧客については大口顧客には営業担当をつけ、小口顧客からは、FAX、電話、メールなどで受注を受けているケースが多いといえます。また受注データは、販売管理システムにて手入力を行っている。
・よくあるシステム構成例
・ポイントは販売管理システムとのデータ連携
会計ソフトとの会計データの連携や、出荷業務フローを考えるとBtoBECシステムと販売管理システムをデータ連携させる方法が、既存の業務フローを利用でき導入時の負荷が少ないと言えます。
そうすると、運用中の販売管理システムとBtoB ECシステムのデータ連携がスムーズに進むかがシステム構成上のポイントになってきます。
販売管理システムに関する確認事項
・データインポート機能:EC側の受注データをCSV等で取り込む機能はあるか?
・マッピング機能 :CSV取り込み時にマッピングは可能か?
・カスタマイズ可否:BtoBEC用のデータが取り込めるようにカスタマイズ可能か?
販売管理システム側にうまくデータが取り込めない場合は、データ取り込みに対応した販売管理システムへの移行も合わせて検討していく必要があります。
2.中堅企業の場合 Amazon等(BtoC)と在庫連動する
・システム構成は一元管理システムが中心
中堅企業やBtoC ECの事業を行っている場合「一元管理システム(OMS)」や「倉庫管理システム(WMS)」を導入しているのが特徴です。また外部委託倉庫から出荷しているケースもよく見られます。
・よくあるシステム構成例
・ポイントは在庫の管理と連動
BtoCとBtoBで同一の商品を販売する場合、在庫の管理が重要になってきます。たとえば、在庫の連動がスムーズに行えないと「商品の売り越し」が発生したり、逆に在庫があるにも関わらず、EC側に反映されていないため販売の機会を逸することにもなりかねません。
・方法は2つに一つ
A:在庫の自動連携ができるサービスの組み合わせを調べる
BtoB ECシステムと一元管理システムの間で在庫情報がタイムリーに連携できれば上述の問題は発生しません。どのようなデータ連携ができるかしっかり調べていく必要があります。
B:思い切ってBtoB用の在庫を分けて管理する方法も
在庫データが「一元管理システム」と「BtoBECシステム」間でタイムリーに連動できない場合は、どうしても「売り越し」の可能性が出てきます。
その場合は思い切って倉庫側で、BtoCとBtoBの在庫をそれぞれわけて管理します。これによりBtoC側の在庫変動の影響を減らしていく事ができます。
3.大手企業の場合 基幹システムと連動する
・販売チャネルが多様化、まずはBtoBの小口顧客をEC化する
大手企業の場合、販売チャネルがBtoCのモール、自社サイト、BtoBのEDI、電話、FAX、対面営業など多様化しているのが特徴です。場合によっては実店舗のチャネルもありオムニチャネルに取り組んでいる場合も。
図 大手企業におけるシステム構成の例
EDIはどうする?
大口の顧客はEDIで発注してくるところも多いのではないでしょうか?受注者視点で考えれば、BtoBECから注文をもらうメリットはいくつかあります。例えば、BtoBECシステムを利用することで、EDIではできなかった新商品のお知らせやプロモーションなどが可能です。
一方、発注者の視点で考えるとどうでしょうか?中にはEDIの導入に少なくない予算をかけていたり、基幹システム連携を含めて発注フローを固めてしまっている企業もあるのではないでしょうか?最初のフェーズでは、EDIを利用していない小口顧客からBtoBECシステムに移行を促すのがベターです。
BtoB ECシステムはどこまでの基幹業務を担うのか?
BtoBECシステムや基幹システムもアップデートに伴いどちらでもできる作業が増えてきています。どこを線引として運用していけばよいのでしょうか?
図 大手企業におけるBtoBECシステムと基幹システムでの棲み分け例
多くの場合、出荷業務や請求業務は基幹システムをベースの運用が構築されています。そのため、出荷や請求業務に関しては従来どおり基幹システムで行うことでBtoBECシステム導入時の負荷を下げれると考えれます。そうなるとBtoBECシステムの役割としては下記が考えられます。
BtoB ECシステムの役割
・在庫データ連携:基幹システムでの在庫情報を反映する
・見積管理:顧客からの見積を管理する
・受注データ連携:顧客から注文受付後、受注データを基幹システムと連携する
・出荷データ連携:基幹システムにて出荷作業後、出荷実績データを連携し顧客に通知する
参考:基幹システムの得意先ID問題
4.新規事業としてはじめる
新規顧客に対して新規の商品を販売していくケースのシステム構成について考えていきます。新規事業の場合は、最初から潤沢に予算を取れない場合もあるのでクラウド型のサービスから選定していきます。また、人員も豊富にわりあてられない可能性もあるので受注~出荷~請求を自動化しておく必要もあります。
図 新規事業にBtoBECシステムを導入した構成例
・ポイント1 出荷の自動化
出荷に関する作業は外部の倉庫に外注し、出荷指示などデータのやりとりについてはシステム(WMSやOMS)を通して自動化することができます。これにより注文増えてもバックヤードは安心できるので販売に集中することができます。
参考 ネットショップ業務のすべてを自動化。物流代行システム「ロジレス」
・ポイント2 請求の自動化
Web上から新規顧客を集客する場合、障壁になるのが与信審査です。無事集客できて注文が入るタイミングで与信審査を人力で行うのはあまりいい方法とは言えません。「BtoB決済サービス」を導入することで与信審査や請求業務を自動化していくことも可能です。
参考 これからの時代のクラウド請求サービス 「MF KESSAI」
まとめ
この記事ではBtoB ECを導入するにあたっての4つの代表的なパターンを見てきました。事業規模やに導入しているシステムによってシステム構成は異なります。代表的な4つのパターンを参考にシステム構成を検討してみてはいかがでしょうか?