【2022年度版】BtoB-EC市場規模|EC化率は35.6%に成長@経済産業省
業務効率化には「ミスを減らすための対策」が必要となります。ミスのなかでも起こりやすいものとして、データや資料作成時の「入力ミス」が挙げられます。では、この入力ミスを減らすには、どういった対策が効果的なのでしょうか。今回は、そもそも入力ミスを起こしてしまう原因と、入力ミスを防ぐ対策についてお伝えします。
入力ミスを起こしてしまう原因とは?
一般的に、データや資料の作成時に起こる入力ミスは、その多くがヒューマンエラー、いわゆる人為的なものです。では、ヒューマンエラーが起こる原因にはどういったものがあるのでしょうか? 主な原因としては、次のようなものが挙げられます。
ヒューマンエラーが起こる主な原因
見落とし、見間違い、聞き間違い、知識の誤り、判断ミス、思い込み、入力漏れ、確認漏れ、入力ツールの使い方を把握していないなど、ほとんどは集中力の欠如や知識不足によりミスが発生します。また、指示者と作業を行う者同士で意思の疎通ができていないことも、ヒューマンエラーが起きる原因のひとつです。日常的なコミュニケーション不足がヒューマンエラーに大きく影響していると言えるでしょう。
これらのヒューマンエラーが起きる場所は、どうしても手入力での作業が多くなる業務です。具体的には、経理・財務、総務、人事、SE、エンジニアなどはヒューマンエラーが起きやすい業務と思われます。
ヒューマンエラーによる入力ミスを防ぐ対策
人である以上、100%ミスを防ぐことはできません。では、ヒューマンエラーによる入力ミスを防ぐにはどういった対策が必要なのでしょうか? ここでは6つの対策法を紹介します。
1. 複数人によるチェック体制の確立
前項でも説明したように、ヒューマンエラーが起きる主な原因は集中力の欠如です。そのため、手作業はひとりではなく最低でもふたりで行うようにします。一方が作業を行い、もう一方がチェックする。これを時間によって交代で行えば、ヒューマンエラーが起きてもすぐに修正できるようになります。
2. チェックリストの作成
複数人で作業すれば、確かにヒューマンエラーを軽減できます。さらに高い効果を狙いたい場合は、作業内容をテキスト化し、チェックリストを作成します。ルーティンワークは、慣れてしまうとつい雑になったり、簡略化してしまったりする傾向があり、それがヒューマンエラーにつながります。よって、チェックリストを作成し、それを基に作業を進めるようにすれば、高い確率でヒューマンエラーの削減が可能となります。
3. 作業手順の改善
ヒューマンエラーが起きる原因は、もしかすると作業手順に問題があるのかもしれません。また、実際には必要のない手順が含まれており、それが集中力を妨げている可能性もあります。そこで、チェックリストを作成する際に作業手順を再確認し、順番の入れ替え、必要ない手順の削除などを行い、作業をできるだけシンプルにします。
4. 適度な休憩
集中力の欠如は、多くの場合、疲れから起こります。日常的な健康管理はもちろん、1時間作業したら5分休むなど、できるだけミスが起こらないように適度な休憩を取り、万全の体調で望めるようにすることが重要です。
5. システム化
どのような対策を施してもヒューマンエラーが減らない場合は、手作業を止め、外部に依頼する、もしくはシステム化します。作業内容にもよりますが、複数人で時間をかけて手作業をするより、システム化したほうがコストダウンにつながるのが一般的です。
システム化を行う際のポイント
ヒューマンエラーを防ぐ方法として、「システム化が効果的である」と説明しました。ここでいうシステム化とは、「ツールを使ったシステム化」だけでなく、チェックリストを作成する、作業手順を改善する、といった「手作業のシステム化」も含まれています。もちろん、どちらのシステム化も事前の準備がしっかりとできていないと効果を発揮しません。そこで、システム化を行うためのポイントをお伝えします。
作業環境の整備
集中力を持続させるポイントのひとつとして、周囲の環境があります。作業を行う机の上に、他の業務で使う書類やカタログ、文具や雑貨などが散乱していると、ついそちらに目が行ってしまい集中力が削がれてしまいます。このような状況では、どんなにしっかりとしたチェック体制を整えていてもヒューマンエラーは減りません。まずは作業環境を整備し、今やるべき作業に関係ない物を片付け、目に入らないようにします。
適切なツールの導入
「ツールを使ったシステム化」を行う場合、とにかくツールを導入して自動化すればヒューマンエラーが減る、というわけではありません。作業内容に合わせて最適なシステムを導入しないと、かえって非効率になったり、無駄な手間が増えてしまったりする恐れがあります。また、完全にシステム化してしまうと、緊急時に柔軟な対応ができなくなる場合もあります。そのため、手作業で対応できる余地を残しつつ、ツールを導入するようにすると、ヒューマンエラーの削減と業務効率化の双方を実現できます。
チェック体制の見極め
ツールに頼らない「手作業のシステム化」を実施する場合も、作業内容に応じたチェック体制の整備は欠かせません。例えば、日常的なルーティンワークで「二重入力」や「データと紙での確認」といったチェック体制を敷くのは、明らかにオーバースペックでコストの無駄使いです。作業内容に応じたチェック体制を見極めることが重要なポイントです。
まとめ:入力ミス対策の鍵は「システム化」
手作業によるシステム化
入力ミス対策として効果的なのはふたつのシステム化です。ひとつ目は「手作業によるシステム化」で、チェックリストを作成し、複数人で確認作業を行うものです。人が作業する以上、ミスをゼロにするのは困難ですが、限りなくゼロに近づけられるようになります。
ツールを使ったシステム化
ふたつ目のシステム化は「ツールを使ったシステム化」です。ツールを活用すれば、人が介在する部分が減り、複数人で確認する必要もなくなります。ツールの導入はコストがかかると思われるかもしれませんが、人為的なシステム化は確認作業を行う「時間」と「人」にコストがかかります。そのため、長期的に見ればツールによるシステム化のほうがコストを削減でき、ミスも軽減できる可能性が高くなります。
もちろん、業務内容によってはツールを使うほどではない場合もあるでしょう。まずは、入力ミスが起こる原因を明確にしたうえで、改善対策を実施し、それでも十分な改善が見られない場合に「ツールの導入」を視野に入れてみてはいかがでしょうか。
参考:
手作業でのミスを劇的に減らすために最も効果的な方法|ISI Software
入力や文書のチェック漏れを無くす4つの必須ワザ|DIAMOND online
図解 システム化とアドリブのよい使い分けとは?|note