【2025年最新】BtoB EC市場は514兆円超!成長する理由とは?@経済産業省データ参照
BtoB ECとは、企業間取引をインターネット上で行う電子商取引のことです。従来の電話やFAXによる受発注業務をデジタル化し、業務効率化や販路拡大を実現する仕組みとして、多くの企業から注目を集めています。実際にBtoB EC市場規模は514兆円を超え、拡大を続けており(経済産業省調べ)、昨今の人手不足やDX推進の流れを受け、今後もBtoB ECを導入する企業は増加すると見込まれます。
これからBtoB ECの導入を検討している方や、既存のシステムのリニューアルを考えている方に向けて、本記事を公開しました。
BtoB ECの基礎知識から、BtoB ECの歴史から基礎知識、市場動向、BtoC ECとの違い、導入のメリット・デメリット、システム選定のポイント、そして実際の成功事例までを網羅的に解説します。
BtoB ECの定義と仕組み
まずは、BtoB ECの基本的な概念と、混同されやすいEDIとの違いについて解説します。
BtoB ECとは
BtoB ECとは、企業間における電子商取引のことです。「BtoB」は「Business to Business」の略で企業間取引を意味し、「EC」は「Electronic Commerce(電子商取引)」の略です。B2B ECと表記されることもあります。
具体的には、メーカーと卸売業者、卸売業者と小売店、商社と製造業者など、企業同士がインターネット上のWebサイトやシステムを通じて商品やサービスの売買を行う仕組みを指します。従来、電話やFAX、対面営業で行われていた受発注業務を、ECサイトやWeb受発注システムを活用してデジタル化することで、業務効率化やコスト削減、販路拡大などを実現できます。
BtoB ECの基本的な仕組みは以下のとおりです。
- 商品カタログの公開:取引先企業向けにWebサイト上で商品情報を掲載
- オンライン受発注:Web画面から注文・見積もり依頼が可能
- 価格・在庫連携:他システムと連携したリアルタイム情報提供
- 承認ワークフロー:企業内の承認プロセスをシステム化
なお、楽天やAmazonなど企業が一般消費者向けに商品を販売する「BtoC EC」や、メルカリなどのフリマアプリを通して個人間で取引を行う「CtoC EC」とは区別されます。また、企業が自社の従業員向けに販売を行う「BtoE EC」(社内販売・職域販売)という形態もあります。
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BtoB ECとEDIの違い
BtoB ECを理解するうえで押さえておきたいのが、EDI(Electronic Data Interchange:電子データ交換)との違いです。
EDIとは、企業間で発生する受発注や請求といった定型的な業務データを、専用回線を通じて標準化されたフォーマットで電子的にやり取りするシステムです。1980年代から存在し、1990年代に急速に普及しました。主に大企業間での大量の定型取引に用いられ、注文書や請求書などの帳票処理を自動化・効率化することを目的としています。
一方、BtoB ECは、Webブラウザを通じて商品検索や発注、見積もり依頼などを行えるシステムです。
EDIと比較すると、以下のような特徴があります。
| 項目 | EDI | BtoB EC |
|---|---|---|
| 主な用途 | 定型的な大量取引の自動化 | 受発注業務のデジタル化、新規顧客開拓 |
| 通信方法 | 専用回線(ISDN等) | インターネット(webブラウザ) |
| 導入コスト | 高い(専用システム構築が必要) | 比較的低い(SaaS型なら手軽に導入可能) |
| 柔軟性 | フォーマットが固定的 | 商品検索・見積等の柔軟な対応が可能 |
| 新規顧客開拓 | 既存取引先向け | 新規顧客開拓にも活用可能 |
| マーケティング | 限定的 | web広告・SEO等と連携可能 |
重要なトピックとして、従来EDIの通信に使用されていたISDN回線(INSネット)の新規販売は2024年8月に終了しており、2028年12月にはサービス提供も完全終了する予定です。このため、多くの企業でWeb-EDIやインターネットEDI、またはBtoB ECシステムへの切り替えが急務となっています。
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進化を続けるBtoB ECの歴史と種類
BtoB ECは、1990年代の登場以降、時代のニーズに合わせて進化を続けてきました。
ここでは、その歴史と主な種類について解説します。
BtoB ECの歴史
ネット通販型(1990年代〜)
1990年代後半、「アスクル」や「MonotaRO」など、法人向け製品をWebサイト上で販売するBtoB ECサイトが登場しました。
このネット通販型は、BtoB ECの「ファーストウェーブ(先駆者)」とも呼ばれます。それまで閉鎖的だった企業間取引の常識を覆し、納期や価格をオープンにした状態で法人向け製品の通信販売を行うというビジネスモデルを確立しました。インターネットの普及とともに、企業間取引のあり方を大きく変える転換点となりました。現在でも多くの企業に利用されています。
マーケットプレイス型(2000年代〜)
2000年代に入ると、BtoB ECの「セカンドウェーブ」としてマーケットプレイス型が登場しました。複数の卸売業者が1つのWebサイト上で製品を出品・販売する形態で、ラクーン社の「スーパーデリバリー」やオークファン社の子会社SynaBiz社が運営する「NETSEA」などが代表的です。
マーケットプレイス型の大きな特徴は、会員にのみ卸価格を公開するという従来の企業間取引の商慣習を取り入れている点です。これにより、一般消費者への価格流出を防ぎながら、インターネット上での企業間取引を実現できるようになりました。売り手にとっては、プラットフォーム運営者の顧客基盤を活用して新規顧客を開拓しやすいというメリットがあります。
自社サイト型(2015年頃~)
マーケットプレイス型は新規顧客開拓に強みがある一方、同じサイト上に競合他社の製品が掲載されることによる価格競争が課題でした。そこで2015年頃から登場したのが、BtoB ECの「サードウェーブ」である自社サイト型です。
自社サイト型は、取引先ごとの販売商品や価格管理の機能を備えながら、自社の製品のみを販売する会員制ECサイトを運営する形態です。従来のネット通販型やマーケットプレイス型との大きな違いは、ECサイトを自社の業務フローに合わせて構築し、電話やFAXによる受注業務をECサイト上で完結させることで、大幅な業務効率化が図れ、注目を集めました。
BtoB ECの成熟(2020年頃〜)
2020年以降の新型コロナウイルス感染症拡大を契機に、非対面・非接触の需要が高まり、企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)推進が加速。2017年に日本に上陸したAmazon Buissinesが徐々に浸透し始めるなど、Web上でBtoB取引を行なうことが一般的になってきました。
また、BtoCの企業がBtoB ECをはじめるといった動きも顕著になりました。とりわけ、自社サイト型BtoB ECが盛り上がりを見せ、導入企業はもちろん、ベンダー企業も増加しています。
BtoB ECサイトの主な種類(運用形態)
BtoB ECサイトは、公開範囲や利用目的によって大きく3つの種類に分けられます。自社のビジネスモデルや目的に合わせて、最適な形態を選択することが重要です。
クローズド型
クローズド型は、登録済みの会員以外はサイトにアクセスできない完全会員制の形態です。ID・パスワードでログインしないとページが表示されないため、製品情報や価格情報の機密性を高く保てます。既存取引先との継続取引を効率化する目的に適しており、取引先ごとに異なる価格設定や表示商品の出し分けも容易です。
セミクローズド型
セミクローズド型は、商品情報は一般公開しつつ、価格の閲覧や購入は会員登録・承認後のみ可能とする形態です。新規顧客への認知拡大と、既存取引先への適切な情報管理を両立できます。会員登録時に審査を設けることで、取引先として適切な企業のみを受け入れることができ、BtoBならではの商慣習にも対応しやすいバランスの取れた形態です。
オープン型
オープン型は、誰でもサイトを閲覧・購入できる形態です。BtoC ECに近い運用で、新規顧客の開拓に強みがあります。商品情報や価格を広く公開することで、これまで接点のなかった企業からの問い合わせや注文を獲得できます。
一方で、一般消費者からのアクセスや、競合他社への情報流出といったリスクも考慮する必要があります。
BtoB ECが巨大市場に成長した背景
BtoB EC市場は年々拡大を続けており、いまや巨大市場となっています。ここでは、最新の市場データと、成長の背景について解説します。
BtoB ECの国内市場規模とEC化率の高まり

引用元:経済産業省「令和6年度 電子商取引に関する市場調査 報告書」
2025年8月に経済産業省が発表した「令和6年度 電子商取引に関する市場調査 報告書」によると、2024年の国内BtoB EC市場規模は514兆4,069億円となり、前年比10.6%増を記録しました。また、商取引全体に占めるECの割合を示す「EC化率」は43.1%で、前年から3.1ポイント増加しています。
参考までに、同年のBtoC EC市場規模は26兆1,225億円です。BtoB EC市場はBtoC市場の約20倍の規模があり、いかに企業間取引が巨大な市場であるかがわかります。
業界別に見ると、食品製造業(41兆5,859億円/EC化率81.3%)、卸売業(128兆8,684億円/EC化率40.3%)などでEC化が進んでいます。また、運輸業は前年比20.1%増と大幅な伸びを記録しており、物流業界における2024年問題への対応としてデジタル化が加速していることがうかがえます。
EC化率の高まりの背景と考察
BtoB EC市場が成長を続けている背景には、いくつかの要因が考えられます。
コロナ禍によるデジタル化の加速
2020年以降、コロナ禍により非対面・非接触の需要が急増しました。企業間取引においても、従来の対面営業を見直し、在宅でも対応できるBtoB ECの導入が進みました。コロナ禍収束後もこの流れは続いており、デジタル化は社会全体で定着しつつあります。
働き方改革と人手不足への対応
少子高齢化による労働力不足が深刻化するなか、限られた人員で最大の効果を生み出すことが求められています。政府による働き方改革の推進もあり、業務効率化への意識が高まっています。
BtoB ECは受発注業務の自動化により、人的リソースを営業活動や企画業務など、より付加価値の高い業務に振り向けることを可能にします。
政府のDX推進政策
日本の国際競争力強化に向けて、政府は企業のDXを積極的に推進しています。経済産業省を中心に各種デジタル化推進政策が展開されており、中小企業向けのIT導入補助金なども充実しています。これらの支援策が、BtoB EC導入の追い風となっています。
ISDN回線終了によるEDI移行需要
前述のとおり、従来のEDIで使用されていたISDN回線が2028年に完全終了します。この「EDIの2024年問題」への対応として、Web-EDIへの切り替えだけでなく、より柔軟なBtoB ECシステムへの移行を検討する企業も増えています。
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BtoB ECとBtoC ECの違い
BtoB ECは、BtoC EC(一般消費者向けネットショップ)とは異なる特有の商慣習に対応する必要があります。
ここでは、BtoB ECに求められる代表的な機能と、BtoC ECとの違いについて解説します。
顧客ごとの掛率(価格)の管理
BtoC ECでは、すべてのユーザーに同一価格で商品を販売するのが一般的です(一物一価)。しかしBtoBの企業間取引では、取引先ごとに商談を行い、取引量やこれまでの取引実績、各種条件によって異なる価格を設定することが当たり前です。
そのため、BtoB ECシステムには、同じ商品でも取引先ごとに異なる販売価格を表示する「一物多価」の機能が必要です。グループ単位や個社単位で掛率(割引率)を設定し、サイトにログインしたユーザーに応じて適切な価格を表示できるようになっています。
顧客ごとの決済管理
BtoC ECの決済方法は、クレジットカード、コンビニ払い、代金引換などが一般的です。
一方、BtoBでは「掛け売り(請求書払い)」が主流です。これは、商品の納品後に請求書を発行し、月末締め翌月末払いなど、一定期間の取引分をまとめて後払いする方式です。
掛け売りを行うかどうかは、取引先の与信状況や取引量によって判断します。そのため、BtoB ECシステムでは、取引先ごとに利用可能な決済方法を設定・制限する機能が必要です。新規取引先には前払いや代引きのみ、与信審査を通過した取引先には掛け売りを許可する、といった運用が可能になります。
顧客ごとの販売商品管理
BtoC ECでは、掲載しているすべての商品をすべてのユーザーが閲覧・購入できます。しかしBtoBでは、取引先によって販売できる商品が異なるケースも少なくありません。
たとえば、特定の取引先向けに生産しているOEM商品、大口取引先のみに販売している特別価格商品、取り扱いに免許やライセンスが必要な商品などがあります。BtoB ECシステムには、取引先ごとに商品の表示・非表示を設定し、適切な商品だけを見せる機能が備わっています。
その他の違い
上記のほかにも、BtoB ECには以下のような特有の機能が必要です。
- 見積もり機能
企業の担当者は、社内承認を得てから発注するケースが多いため、見積書を発行・ダウンロードできる機能が必要です。 - 承認ワークフロー
発注前に上長の承認を必要とする企業向けに、承認フローをシステム化する機能があると便利です。 - ロット単位での販売
BtoBでは「1ケース単位」「12個単位」など、まとまった数量での販売が一般的です。
最小発注数量や発注単位を設定できる機能が必要です。 - リピート注文機能
過去の注文履歴から簡単に再発注できる機能は、定期的な仕入れを行う取引先にとって利便性が高い機能です。
BtoB ECのメリットとデメリット

BtoB ECの導入を検討する際は、メリットとデメリットの両方を理解しておくことが重要です。
ここでは、導入によって得られる効果と、注意すべきポイントについて解説します。
BtoB ECのメリット
業務負担の軽減
従来の電話やFAXによる受発注業務では、在庫の問い合わせ対応、納期の回答、受注内容の手入力、発注書の処理・保管、請求業務など、多くの工数がかかっていました。BtoB ECを導入することで、これらの業務を大幅に効率化できます。
商品情報や在庫状況、価格などはECサイト上で取引先自身が確認できるため、問い合わせ対応の負担が軽減されます。また、受注データは自動的にシステムに取り込まれるため、手入力の手間もなくなります。ECサイトは24時間365日稼働するため、営業時間外の注文も自動で受け付けることができます。
ヒューマンエラー・コスト削減
電話での聞き間違いやFAXの読み取りミス、手入力時の誤入力など、人の手による作業にはヒューマンエラーがつきものです。誤発注や誤出荷が発生すると、クレーム対応や返品処理など、さらなる工数が発生してしまいます。
BtoB ECでは、取引先自身がWeb画面上で商品を選択し、数量を入力して発注するため、伝達ミスを大幅に削減できます。また、紙の帳票やFAX用紙、コピー、押印作業、書類の保管スペースなど、アナログ業務に伴うコストも削減できます。
新規顧客の獲得
オープン型やセミクローズド型のBtoB ECサイトを運用することで、これまで営業担当者がアプローチできなかった遠方の企業や、取引金額の小さい顧客との接点を持つことができます。また、自社の取扱商品をWeb上で公開することは、製品カタログを全国に配布しているのと同等の効果があります。
Web広告やSEO対策と組み合わせることで、特定の商品や情報を探している企業からのアクセスを獲得し、新規取引につなげることも可能です。営業人員を増やすことなく、販路を拡大できる点は、前述のEDIにはないBtoB ECならではのメリットです。
データ活用による経営戦略強化
BtoB ECを導入することで、取引先の購買データがシステム上に蓄積されます。「どの取引先が、いつ、どの商品を、どのくらい購入しているか」といったデータを分析することで、需要予測の精度向上や、取引先ごとにパーソナライズした提案、在庫の最適化などが可能になります。
今後、生成AIなどの技術と組み合わせることで、より高度なデータ活用が進むと予想されます。データを資産として活用できる点は、BtoB EC導入の重要なメリットの一つです。
BtoB ECのデメリット
導入コストがかかる
BtoB ECシステムの導入には、初期費用や月々の利用料が発生します。また、システムの導入にあたっては、社内の業務フローの見直しや、関係部署との調整、商品データの登録など、準備にかかる工数も考慮する必要があります。
ただし、近年はクラウド型のBtoB ECサービスが充実しており、大規模なシステム開発を行わなくても、比較的低コストで導入できる選択肢も増えています。費用対効果を慎重に検討したうえで、自社に合った導入方法を選ぶことが重要です。
既存顧客へのフォローが必要
長年、電話やFAXで発注を行ってきた既存顧客のなかには、ECサイト経由での発注に抵抗を感じる方もいます。「電話のほうが楽」「パソコン操作が苦手」といった理由で、移行に難色を示すケースも考えられます。
スムーズな移行を実現するためには、操作マニュアルの作成、デモサイトでの操作説明、問い合わせ窓口の設置など、既存顧客へのきめ細かなフォローが欠かせません。「スマホやPCさえあれば、いつでも注文できる」「過去の注文履歴から簡単に再発注できる」など、取引先にとってのメリットを丁寧に伝えることも重要です。
【関連記事】BtoB ECのメリットとは?業務効率化と販路拡大を実現するポイントを解説! | Bカートブログ
BtoB ECのシステム選定時に重視すべきポイント
BtoB ECシステムを導入する際、どのようなポイントを重視して選べばよいのでしょうか。ここでは、システム選定時に確認すべき4つのポイントを解説します。
自社にあった構築方法を検討する
BtoB ECサイトの構築方法は、大きく3つに分けられます。それぞれの特徴を理解し、自社の規模や予算、求める機能に合った方法を選択しましょう。
クラウド型
クラウド上で提供されるサービスを利用する方法です。初期費用を抑えられ、短期間で導入できる点がメリットです。システムの保守・運用はサービス提供会社が行うため、自社でのサーバー管理が不要です。また、サービス提供会社が定期的にアップデートを行なう場合もあり、時流に合わせて使いやすく進化するのも魅力です。
一方、カスタマイズには制限があるため、独自の業務フローに完全に合わせることは難しい場合があります。中小企業や、まずはスモールスタートしたい企業に適しています。
パッケージ型
ECシステムのパッケージソフトウェアを購入し、自社のサーバーやクラウド環境に導入する方法です。標準機能をベースに、必要な部分をカスタマイズできるため、自社の業務フローに合わせた調整が可能です。クラウド型より導入コストは高くなりますが、後述のフルスクラッチよりは抑えられます。中〜大規模の企業や、ある程度のカスタマイズが必要な企業に適しています。
フルスクラッチ型
ゼロから自社専用のシステムを開発する方法です。完全にオーダーメイドでシステムを構築できるため、どのような要件にも対応可能です。ただし、開発費用は数千万円〜数億円規模になることもあり、開発期間も長期にわたります。独自の業務フローや大規模な取引量を持つ大企業向けの選択肢です。
自社に必要な機能が揃っているか確認する
BtoB ECシステムを選ぶ際は、前述した「BtoB特有の機能」が備わっているかを確認しましょう。具体的には、顧客ごとの価格設定(掛率管理)、決済方法の管理、販売商品の出し分け、見積もり機能などです。
BtoC向けのECシステムをBtoB取引に転用しようとすると、これらの機能が不足していたり、大幅なカスタマイズが必要になったりするケースがあります。BtoB専用に設計されたシステムを選ぶことで、導入後のミスマッチを防げます。
販売管理や在庫管理など既存システムとの連携
多くの企業では、すでに販売管理システムや在庫管理システム、会計システムなどの基幹システムを運用しています。BtoB ECシステムを導入する際は、これらの既存システムとスムーズに連携できるかを確認することが重要です。
API連携やCSVによるデータ連携に対応しているか、どのような基幹システムとの連携実績があるかなどを事前に確認しましょう。連携がうまくいかないと、ECサイトでの受注データを手作業で基幹システムに入力し直すことになり、業務効率化の効果が半減してしまいます。
サポート体制が整っているか
BtoB ECシステムは導入して終わりではなく、継続的に運用していくものです。導入時のサポートはもちろん、運用開始後のトラブル対応や機能に関する問い合わせなど、サポート体制が充実しているかどうかは重要な選定ポイントです。
サポートの対応時間、問い合わせ方法(電話・メール・チャットなど)、導入支援プログラムの有無、ヘルプドキュメントやFAQの充実度などを確認しましょう。また、BtoB ECの導入実績が豊富なサービスであれば、業界特有の課題に対するノウハウを持っている可能性が高く、安心感があります。
BtoB ECに関するよくあるご質問

BtoB ECの導入を検討する際によく寄せられる質問と、その回答をまとめました。
Q1. BtoB ECとEDIの違いは何ですか?
A. EDIは専用回線を使った定型的なデータ交換システムで、主に大企業間の大量取引の自動化に用いられます。
一方、BtoB ECはWebブラウザを通じて商品検索や発注、見積もり依頼などを行えるシステムで、新規顧客開拓やマーケティング活用にも適しています。導入コストや柔軟性の面では、BtoB ECのほうが中小企業にも取り組みやすい選択肢といえます。
Q2. BtoB ECの導入費用の目安はどのくらいですか?
A. 構築方法によって大きく異なります。
クラウド型であれば、初期費用数万円〜数十万円、月額費用1万円〜10万円程度から導入可能なサービスもあります。パッケージ型は数百万円〜数千万円、フルスクラッチ型は数千万円〜数億円規模になることもあります。自社の予算や求める機能に応じて、最適な方法を選択しましょう。
Q3. 既存の取引先がECに移行してくれるか不安です。
A. 導入初期は、従来の電話・FAX注文とECサイトを併用する期間を設けることをおすすめします。
取引先にとっても「いつでも発注できる」「注文履歴を確認できる」「発注ミスが減る」といったメリットがあることを丁寧に伝え、操作マニュアルや説明会などでサポートすることで、徐々に移行を進められます。実際に、多くの企業が既存取引先のEC移行に成功しています。
Q4. BtoC用のECシステムでBtoB ECはできませんか?
A. 技術的には可能な場合もありますが、おすすめしません。
BtoC向けのECシステムは「一物一価」を前提に設計されており、顧客ごとの価格設定や決済管理、販売商品の出し分けといったBtoB特有の機能が標準では備わっていないことがほとんどです。大幅なカスタマイズが必要になり、結果的にコストや工数が増えてしまうケースが多いため、BtoB専用のシステムを選ぶことをおすすめします。
Q5. 導入から運用開始までどのくらいかかりますか?
A. クラウド型であれば、最短で数週間〜1ヶ月程度で運用を開始できるケースもあります。
クラウド型であれば、最短で数週間〜1ヶ月程度で運用を開始できるケースもあります。ただし、商品データの登録や、既存システムとの連携、社内の運用ルール策定などの準備期間を含めると、一般的には2〜3ヶ月程度を見込んでおくとよいでしょう。
パッケージ型やフルスクラッチ型の場合は、半年~1年以上かかることもあります。
Bカート導入で実現したBtoB EC成功事例
実際にBtoB EC専用サービス「Bカート」を導入し、業務効率化や売上拡大を実現した企業の事例をご紹介します。
【水産業】客単価1.2倍、売上1.5倍!初の育休取得も(株式会社豊洲漁商産直市場様)

課題:電話・FAX中心の受注業務に多くの時間を取られ、業務効率に課題を抱えていました。
導入効果:Bカートを導入し、受注業務をデジタル化。注文対応の効率化により、客単価1.2倍、売上1.5倍を達成しました。さらに、業務負担の軽減により、社内初となる育児休暇の取得も実現。DXが企業の成長と、従業員の働きやすい環境の両立を可能にした好事例です。
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課題:長野県の老舗食品会社として、地域に根ざした営業を行っていましたが、販路拡大に限界を感じていました。
導入効果:Bカートを導入してBtoB ECサイトを立ち上げたことで、全国からの新規取引先を獲得。取引先数は10倍に拡大し、売上は3億円アップを達成しました。デジタル変革により、地方企業でも全国展開を実現できることを示す事例です。
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【業務用菓子卸売業】半分の人員で倍増した受注対応が可能に(株式会社ナゴミヤ様)

課題:FAXによる受注業務に多くの人員を割いており、受発注業務の負担軽減が課題でした。
導入効果:Bカート導入により、FAX受注から脱却。受注業務を半分の人員で対応可能になりました。さらに、SEO記事などのWeb集客活動により、新規登録数が倍増。和菓子店だけでなく、飲食店など新たな顧客層の開拓にも成功し、事業拡大の足がかりとなっています。
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課題:卸売業の効率化だけでなく、新規顧客の開拓にも力を入れたいと考えていました。
導入効果:Bカートを導入し、レビュー機能を積極的に活用した結果、新規顧客の獲得が大幅に増加。単なる効率化にとどまらず、マーケティング施策と組み合わせることでBtoB ECの可能性を広げた事例です。
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【理美容品卸売業】少人数でも1年弱で取引先が4.6倍に拡大(株式会社BAROLO GLOBAL様)

課題:少数精鋭のチームで事業を運営するなか、受発注業務の効率化と取引先の拡大を両立させたいと考えていました。
導入効果:BカートとERPシステムを連携させることで、受発注データの一元管理を実現。わずか1年弱で取引先が4.6倍に拡大しました。システム連携により、少ない人員でも成長を支えられる体制を構築した好事例です。
まとめ:戦略として自社サイト型のBtoB ECを持つということ
本記事では、BtoB ECの定義やEDIとの違い、歴史的な変遷、BtoC ECとの機能面の違い、導入のメリット・デメリット、システム選定のポイント、そして成功事例まで解説してきました。
これまでの企業間取引は、営業担当者の訪問や電話・FAXでのやり取りが中心でした。しかしWebを活用することで、地理的な制約を超えた取引先との接点が生まれます。既存顧客との取引を効率化するだけでなく、これまでアプローチできなかった新たな顧客層を開拓する手段にもなり得るのです。
また、BtoB ECは受発注業務のデジタル化だけにとどまらず、蓄積された取引データを分析し、需要予測や在庫最適化に活かすことで、経営判断の精度を高める基盤にもなります。人手不足が深刻化するなか、限られたリソースで成果を最大化するための仕組みとして、今後ますます重要性を増していくでしょう。
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BtoB ECサイトを検討中なら、「Bカート」がおすすめです。
BtoB ECプラットフォーム「Bカート」は、取引先ごとの価格設定や決済管理、商品の出し分けなど、企業間取引に必要な機能を標準装備しています。クラウド型のため大規模な開発は不要で、2000社以上の導入実績があります。

