【2022年度版】BtoB-EC市場規模|EC化率は35.6%に成長@経済産業省
2月の東京開催に続いて、5月29日・30日にマイドーム大阪にて開催された、イーコマースフェア2019。 昨年に引き続き、BtoBソリューションセミナーでの特別講演へも出演し、 弊社 芦田と、株式会社マッコイ 竹田氏による、 「BtoB におけるリアルとネットを両立させた販売戦略」と題した、セミナーを実施致しました。 今回はこの講演内容を、実際に使用したスライドをもとに、【あとがき】としてご紹介いたします!
今年の2月に開催された、東京開催に続き、
5月29日~30日にマイドーム大阪で開催された、【 イーコマースフェア大阪@2019 】
「BtoB におけるリアルとネットを両立させた販売戦略」と題したBtoBソリューションセミナー特別講演も実施。
BtoBのECサイトを導入し、業務効率化を推進されている「株式会社マッコイ」より、
営業戦略企画室 部長 竹田 大将 氏を迎え、【対談形式】にて、美容業界における「顧客との接点」をリアルとネットで両立させた販売戦略の全容をご紹介させて頂きました。
イーコマースフェア 2019年 東京講演でのパネルディスカッションの様子はこちらから
セミナー会場
会場は、セミナー開始前から事前予約の方で長蛇の列。
当日登録の列も同様に多くの方に並んでいただいており、開場と同時に用意された席は満席に!
立ち見の方も約30名ほどいる中で、当日約120名ほどの参加でのセミナーとなりました。
なぜBtoB-EC?
BtoC-ECでは、販売チャネルの変化も生じ、従来の販売チャネルに大きな変化が生じています。
そんな中、経済産業省による「電子商取引に関する市場調査」の結果では、
BtoBの市場規模はBtoCに比べて約20倍、EC化率も約5倍となっており、BtoB-ECの規模の大きさを垣間見ることができます。
出典:経済産業省 平成 30 年度 我が国におけるデータ駆動型社会に係る基盤整備(電子商取引に関する市場調査)
BtoB業務のクラウド化
実際の業務の流れで見ても、すでにクラウド化の流れを汲んでいるところは数多くあります。
名刺・顧客管理・営業支援はもちろん、会計・商流・物流・販売管理までクラウド化しているのに、
受発注業務だけがアナログ対応に取り残されているのが現状です。
デジタルマーケティングが進んでいく中、お客様との初回接点がインターネットに移行し、
ネット上で完結する事ができる「BtoB-EC」の重要性がより高まってきていると言えます。
また、同様に【労働人口の減少】も避けては通れない問題となり、
これまでの業務フローではバックオフィスを支えきれないといった課題もあります。
実際の業務の中で・・・
「BtoB-ECがこれから来る」それは分かるけど、実際の社内体制の構築とかはどうすればいいの?
今回はそんな不安に焦点を当て、【 リアル × ネット 】で成果を生み出すマッコイ様に、
「BtoB-ECの立ち上げからその運用まで」をメインにお話を伺いました!
なぜBtoB-ECの立ち上げに?
元々、販売チャネルは代理店様への取引がメインだったマッコイ様。
もちろん数々のメリットはありながらも、代理店様と取引を進めていくにあたって3つの課題が見えてきました。
「代理店の方針に売上が左右されがちである」
「新商品・廃盤商品の情報が隅々まで伝わりずらい」
「代理店販売を行わない場合の受注処理コスト」
マッコイ様の施策
一体マッコイ様はどのようにこの課題に対して向き合っていったのでしょうか?
そこには、下記のような「リアル×ネット」のカラクリがありました。
新商品の開発
第一の課題である、「代理店の方針に売上が左右される」という点、
および第二の課題である「新商品・廃番商品の情報が隅々まで伝わりづらい」という点に対して、
ある事情から、直接サロン取引のみという商流制限をかけていた新商品を活用する事に。
その商品を導入頂く事で、従来の代理店からの情報だけでなく、マッコイ様から直接サロンに届けられる環境を整えました。
さらには商品を導入頂いたサロンの実際のお客様からの声を施策に活かすことで、
販売施策の改善→利益率→情報の質(→販売施策の改善)といったフローで、直サロン販売における売上確立の土台作りに成功します。
顧客数と業務量が正比例しないカタチ
そして、第三の課題である「受注処理」。
代理店販売を行うメリットは、受注処理が楽である、という側面がありました。
しかしながらこの代理店販売を減らしていくうえで課題になるのが、この「受注処理」。
代理店販売時は、「受注1件に対して商品100個の注文」で済んでいたものが、
直サロン販売では、「受注100件に対して商品1個の注文」となるため、単純計算でも業務負担が100倍になります。
これに対してマッコイ様は、受注処理部分をEC化することを決断。
直取引が増えれば増えるほど業務量が増えていく、という点を改善すべく、 営業が対面で拾ってきた案件をECに流していくことで、業務量と顧客数が正比例しないカタチを作り出します。
リアルでの営業の動き方
ECを取り入れる前の営業の動き方は、【 提案 ⇒ 購入 ⇒ 顧客 】という流れでしたが、
ECを取り入れたことで、【 提案 ⇒ EC ⇒ 会員 ⇒ 顧客 】とすることで、
顧客になる前のEC段階で「会員登録」を行って頂き、「マイクロコンバージョン」として活用。
営業が対面でフォローしきれず休眠顧客になってしまったサロンも、会員登録をきっかけにアクティブ化することが出来ています。
また、これまでの購入フローがECで自動化されたことにより、営業担当者が別の部分に注力できるように!
「EC化するから、営業の仕事がなくなる」のではなく、
「EC化することで、営業の精度が上がる」ということだったのです。
組織体制の変化
これまでの一般的な組織体制から、EC化に伴い1本横串を刺すことで、様々な面をより広く見れるようになった、とのこと。
「各々の部署が言ってることはそれぞれ正しい。
ただ、別部署がそれを理解しきれるかというと100%の理解は難しい」
こういった部署間の些細な認識の違いから、施策のスムーズなスタートが難しいという部分もあったようですが、EC化をきっかけにキャンペーンの実施などがスムーズに進む場面が増えてきているそうです。
実際の運用で・・・
「通常の購入体験と変わらないことを」
ECに移行して頂くために、実稼働前に「プレオープン期」を設けたマッコイ様。
ユーザーから見た導線を確認しつつ、
「通常の購入体験と変わらないものを提供できているか」をしっかりとチェックしたと言います。
また、同じように社内データの整理も行い、
重複していた顧客の掛け率データをパターン化するなど、「顧客視点」で社内課題にも取り組みます。
取引開始のルートが煩雑である、という営業の声も取り入れ、
ECサイトで会員登録を行えば取引が開始できる、という流れに社内体制を再構築。
「複雑だったところに焦点を当てて解消していくこと」と竹田氏。
ここでも前提はやはり、「顧客の購入体験は今までと変わらないかものを」という点ですね。
うまく運用するために
さて、社内体制というリアルの側面での改善を続けながら、
ECという場を活用し、「EC限定キャンペーン」を開始します。
セールで受注が増えたとしても、「ECなら受注コストは上がりにくい」という状況を、
社内できちんと作りだすことに成功したからこそ、こうした好循環を作り出せたのだと感じました。
BtoB-ECにおいて
ここまで竹田氏より実際にECサイトを立ち上げてからの裏話をお伺いしてきましたが、
最後にBtoB-ECを運用するにあたって、大事なことを3つお伝え頂きました。
・既存チャネルを活用する・
・顧客体験をもとに業務を見直す・
・走りながら改善を繰り返す・
今後は直サロンとの取引を1000社に増やし、EC化率を80%にまで伸ばすことを目標に、
EC事業部の拡大や、EC起点でのマーケティング等も行っていきたい、とお話しいただきました。
今回は「リアル×ネット」というテーマで開催されたセミナー。
「EC化したから業務改善される」、と言う訳ではなく、
EC化に合わせて社内体制や業務フローなども合わせて改善していくことで、
相対的に売上や業務効率の改善に繋がっていく、ということがよく分かるセミナーだったのではないでしょうか。
BtoB-ECを取り入れるだけでなく、
営業の動き方や商品の売り方などと合わせてうまく活用していく、
「 リアル × ネット 」の戦略を、ぜひ皆さまも活用してみてくださいね。
今後も、BtoBのお取引をされる様々な業界の皆さまのお役に立てるよう、
Bカート運営部からも、皆様に有益な情報を引き続き発信して参りますので、どうぞよろしくお願いいたします!