FAX受注をやめたい!非効率な業務から脱却するための方法と注意点を解説

2025月11月13日
FAX受注をやめたい!非効率な業務から脱却するための方法と注意点を解説

「FAXでの注文対応、もう限界……」。毎日の手入力や確認作業に追われ、本来の業務に集中できないと感じていませんか。FAX受注は多くの企業で長年の慣習として続いていますが、業務の非効率化や人的ミスの原因となり、多くの担当者を悩ませています。 この記事では、FAX受注に悩んでいる方に向けて、やめたいと感じる具体的な理由から、やめられない障壁を乗り越える方法、そして実践的な代替案までを詳しく解説します。自社に最適な方法を見つけ、非効率な業務から脱却するための一歩を踏み出しましょう。

FAX受注をやめたいと感じる4つの理由

多くの企業で「FAX受注をやめたい」という声が上がる背景には、共通する深刻な課題が存在します。日々の業務で当たり前になっている作業も、改めて見直すことで多くの問題点が浮かび上がってくるのではないでしょうか。

【やめたい理由1】手作業による入力ミスや確認の手間が発生する

FAXで受け取った注文書は、手作業で基幹システムや販売管理システムに入力する必要があります。このプロセスで、かすれた文字の読み間違いや数字の誤入力といった人的ミスが発生しがちです。ミスが起これば、取引先への確認の電話や修正作業といった余計な工数が発生し、生産性を著しく低下させてしまいます。

とくに繁忙期には、この確認作業が大きな負担になります。

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【やめたい理由2】紙の管理コストに加え、紛失・消失のリスクもある

受信したFAX用紙は物理的な保管スペースを必要とします。ファイルやバインダーで整理しても、年々増え続ける書類の保管場所を確保するのは大変です。また、インク代や紙代といった消耗品のコストも無視できません。

さらに、紙媒体での管理は紛失のリスクが常に伴います。必要な時に特定の注文書が見つからないという事態は、業務の遅延やトラブルにつながるだけでなく、火災・水害・地震などの災害時には、保管していた注文書そのものが失われる恐れもあります。

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【やめたい理由3】テレワーク導入がしにくい

近年、柔軟な働き方としてテレワークの導入が進んでいますが、FAXによる受注業務がその実現を妨げる大きな課題となっています。FAXの送受信や受信した注文書の処理のために、誰かが必ず出社しなければならない状況は、テレワークへの完全な移行を妨げてしまいます。従業員の働き方の選択肢が制限され、不満の原因となることも少なくありません。

【やめたい理由4】業務の属人化とブラックボックス化

FAXによる受注業務は、特定の担当者の経験に頼ることが多く、業務が属人化しやすい傾向にあります。担当者しか分からないルールや手順が存在すると、その人が不在の際に業務が滞ってしまいます。業務のブラックボックス化は、組織としての対応力を弱め、長期的な視点で見れば大きなリスクとなるでしょう。

それでもFAX受注をやめられない4つの障壁

FAX受注の問題点を認識していても、なかなかやめられないのには理由があります。長年の商慣習や人間関係が複雑に絡み合い、変化への一歩を踏み出せない企業は少なくありません。

【障壁1】取引先がFAXでの注文を希望している

最も大きな障壁は、取引先側の都合です。「長年この方法でやってきたから」「パソコン操作が苦手だから」といった理由で、取引先がFAXでの注文を継続して希望するケースが多く、売り手側の一存でFAXをやめることができないのが現状です。


とくに、古くからの付き合いがある取引先に対しては、関係性を維持するために強く変更を求めづらいという事情があります。

【障壁2】社内の業務フロー変更に抵抗がある

新しいシステムや業務フローを導入することに対して、社内から抵抗の声が上がることもあります。「いまのやり方で問題ない」「新しいことを覚えるのが面倒だ」といった保守的な意見は、とくにベテラン社員から出やすい傾向にあります。変化に伴う一時的な業務負担の増加を懸念し、現状維持を望む声が改革の足かせとなるのです。

【障壁3】代替システムの導入コストが負担になる

FAXに代わる新しいシステム、たとえば受発注システムやWeb-EDIなどを導入するには、初期費用や月額利用料といったコストが発生します。とくに中小企業にとっては、この費用負担が大きなネックとなります。費用対効果が明確に見えにくい段階では、新しいシステムへの投資に踏み切れず、結果としてFAX受注を継続せざるを得ない状況に陥ります。

【障壁4】紙の証憑として保管する必要がある

紙媒体でやり取りをした場合、契約や取引の証拠として、紙の注文書を法的に保管する必要があります。電子データでの保存も法律で認められていますが、電子帳簿保存法への対応など、新たなルールを学ぶ必要があるため、従来通りの紙でのやりとり・保管を選択してしまうケースです。これにより、ペーパーレス化が進まず、FAXが手放せない一因となっています。

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FAX受注に代わる5つの具体的な方法

FAX受注をやめるために乗り越えなければいけない障壁はあるでしょう。、その障壁を認識し乗り越えられる具体的な代替手段を検討しましょう。企業の状況や取引先の特性によって最適な方法は異なりますが、ここでは代表的な5つの方法を紹介します。

【抜本的解決】ECサイトの構築などWeb受発注システムの導入

Web受発注システムは、Webサイト上で商品を注文できるサービスです。とくにBtoB取引に特化したECサイト(BtoB EC)なら、取引先はAmazonやネットショップと同じように、Webブラウザから必要な商品を簡単に発注できます。

受注内容は自動でシステムに反映されるため、FAXやメールのように手作業で入力する必要がなく、人的ミスや確認作業の負担を大幅に削減できます。また、既に導入している販売管理システムや在庫管理システムなどがある場合は、BtoB受発注システムと自動連携をすることで、受注から出荷までの業務全体を自動化・効率化することもできます。多くの取引先に対応可能で、発注する側も受注する側も、業務効率化の効果が最も高い方法と言えるでしょう。

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【手軽さ重視】メールによる受注

最も手軽に始められるのが、メールでの受注です。ほとんどの企業が既にメール環境を導入しているため、特別なシステム投資は不要です。取引先から注文書を画像データやPDFなどで添付してもらえば、紙のFAXよりも見やすく、データとして管理しやすい点もメリットです。

ただし、メールで受け取った注文データは電子取引情報に該当するため、電子帳簿保存法に沿った保存・管理をする必要があります。また、メールからの手入力作業は残るため、業務効率化の効果は限定的です。

【既存FAX活用01】クラウドFAXの導入

クラウドFAXは、インターネット経由でFAXの送受信ができるサービスです。取引先は従来通りFAX機から送信できますが、自社ではパソコンやスマートフォンでFAXをPDF形式で受信できます。出社せずにFAXの内容を確認でき、テレワークに対応しやすくなります。ただし、ペーパーレス化は実現できるものの、データ入力の自動化まではできない点に注意が必要です。

【既存FAX活用02】AI-OCRの導入

AI-OCRは、FAXで受信した注文書をスキャンし、文字情報をAIが読み取り、データ化できるシステムです。取引先にはこれまで通りFAXでの注文をしてもらいながら、自社側のデータ入力作業を大幅に削減できるのがメリットです。

近年ではAIの発展もあり、手書き文字やレイアウトの異なる注文書にも対応できる製品が増え、OCRの技術制度も向上しています。しかしながら読み取り精度は完璧ではないため、文字のかすれや手書きのクセによっては誤認識が発生する場合もあります。そのため、最終的な目視での確認や補正作業が必要です。

【特定取引先向け】Web-EDIへの切り替え

Web-EDIは、インターネットを利用して企業間で受発注データを電子的に交換する仕組みです。特定の取引先との間で専用のシステムを導入することで、受発注業務を完全に自動化できます。非常に効率的ですが、取引先にも同じシステムの導入を求める必要があり、導入コストも比較的高額になる傾向があります。

各代替方法のメリット・デメリットを比較

自社にとって最適な代替方法を選ぶためには、それぞれのメリットとデメリットを正しく理解し、比較検討することが不可欠です。ここでは、これまで紹介した4つの方法を一覧表で比較します。

 

以下の表を参考に、自社の課題や取引先の状況、予算などを考慮して、最適な方法を検討してください。

手段 メリット デメリット こんな企業におすすめ
Web受発注システム
  • 業務効率化の効果が最も高い
  • 人的ミスがなくなる
  • データ分析に活用できる
  • 導入コストや月額利用料がかかる
  • 取引先への案内や説明が必要
  • 多くの取引先とやり取りがある
  • 抜本的に業務を改善したい
メール受注
  • 導入コストがほぼゼロ
  • すぐに開始できる
  • 手入力作業が残る
  • 効率化の効果は限定的
  • 誤送信のリスクがある
  • とにかくコストをかけずに始めたい
  • 受注件数が少ない
クラウドFAX
  • 取引先は運用を変えずに済む
  • ペーパーレス化できる
  • FAX受注が残っていてもテレワークに対応しやすい
  • データ入力作業は残る
  • 月額利用料がかかる
  • 取引先の説得が難しい
  • まずはペーパーレス化から進めたい
AI-OCR
  • FAXの注文書を自動でデータ化できる
  • 取引先の運用を変えずに、データ入力工数を大幅に削減できる
  • 読み取り精度は完璧ではなく、目視による確認・補正作業が必要
  • 月額利用料がかかる
  • 帳票フォーマットが複雑な場合は対応しづらい
  • 取引先へのシステム変更の依頼が難しい
  • FAX受注がメインだが、手入力の負荷を減らしたい
Web-EDI
  • 業務を完全に自動化できる
  • 人的ミスがほぼなくなる
  • 導入コストが高い
  • 取引先にも導入を依頼する必要がある
  • 特定の主要取引先とのやり取りが多い
  • 業界標準のEDIがある

FAX受注から効率の良いシステムに移行するための4ステップ

FAX受注からの移行は、ただシステムを導入すれば終わりではありません。社内と社外の関係者の協力を得ながら、計画的に進めることが成功の鍵となります。

ステップ1:現状の業務フローを正確に把握する

まずは、現在のFAX受注業務の流れを「見える化」することから始めましょう。誰が、いつ、どのような作業をしているのか、どこに時間がかかり、どのようなミスが発生しているのかを具体的に洗い出します。この現状分析が、新しい方法を検討するうえでの土台となります。

ステップ2:自社に合ったシステムの検討・導入

現状を把握したら、次は“FAX受注をどのようなシステムで置き換えるのが最適か”を検討しましょう。自社の業務フローや取引先の環境、FAX受注をやめるための障壁までも考慮し、必要な機能・コスト・操作性などを比較し、ツールを選定します。

また、ツールの選定だけでなく、実際の導入準備も重要です。社内での操作トレーニングや取引先への案内方法、データ移行の手順などを事前に整理しておくことで、スムーズな立ち上げが可能になります。

ステップ3:小規模なテスト導入から始める

システムの導入が決まったら、いきなり全ての取引先を対象に変更するのではなく、まずは協力的ないくつかの取引先にお願いして、小規模にテスト導入(スモールスタート)することをお勧めします。実際に運用してみることで、想定していなかった課題が見つかることもあります。テスト導入で得られたフィードバックを元に改善を重ね、本格展開に備えることで失敗のリスクを減らすことができます。

ステップ4:取引先への丁寧な説明とサポートを行う

テスト導入で運用の流れが安定したら、徐々に対象を広げていきましょう。一度にすべての取引先へ切り替えるのではなく、取引量や関係性などを考慮して段階的に展開することで、無理のない移行が可能になります。新しい注文方法への切り替えは、取引先に負担をかけてしまう可能性があるので、なぜ変更するのかという理由(例:迅速で正確な対応のため)と、変更による取引先のメリットも丁寧に説明しましょう。

また、新しい方法の操作マニュアルを用意したり、電話でのサポート窓口を設置したりと、移行を支援する体制を整えることで、協力も得やすくなります。

FAX受注の廃止に成功した企業の事例紹介

FAX受注の廃止は、多くの企業にとって大きな課題ですが、実際に乗り越えて業務効率化を実現した企業も数多く存在します。ここでは、具体的な成功事例を2つ紹介します。

成功事例1:ロジザード株式会社様

WMS(倉庫管理システム)を提供する企業として、ユーザー向けのサプライ品販売でFAX受注からの脱却に取り組みました。同社では従来、FAXやメールでの受注を行っていましたが、注文書の文字が不鮮明であることや、担当者の経験則に依存した属人的な業務が課題となっていました。

BtoB ECプラットフォーム「Bカート」の導入により、これまでFAX受注を行っていたユーザーのほとんどがECサイトでの受注に移行し、明確な受注情報を正確にデータとして把握できるようになりました。この結果、注文書の文字が読めない問題や請求金額の間違いなど、さまざまなヒューマンエラーを削減することに成功し、小口かつリピート取引の効率化を実現しています。

【関連記事】ロジザード株式会社 のお客様の声| Bカート

成功事例2:株式会社丸幸様

株式会社丸幸は、2025年現在で創業107年を迎える老舗企業で、現在はペット専用サプリメントのメーカーの日本・アジア圏総代理店や、さまざまなペットフードの卸販売を行っています。同社では以前、3人の営業社員が直接取引先を訪問し、受注はFAXと電話で対応するというアナログな業務体制でした。内勤事務専門の社員が退職した際に、営業社員の内勤事務負荷が高まったことをきっかけに、業務効率化を目的としてBtoB ECサイトの導入を決定しました。

「Bカート」導入後は、FAXや電話での受発注業務が減少し、手作業でのシステム入力時に起きていた商品名や数量の入力ミスも軽減されました。また、販売ソフトとの連携により手入力作業も大幅に削減されています。

既存のお客様に対して1件ずつ丁寧な説明を行うことで、着実にBtoB ECサイトからの受注へと移行が進んでいます。

【関連記事】株式会社丸幸のお客様の声 | Bカート

まとめ

FAX受注をやめることは、単なる業務のデジタル化以上の意味を持ちます。それは、非効率な作業から従業員を解放し、人的ミスを減らして顧客からの信頼を高め、さらにはデータを活用した新たなビジネスチャンスを生み出す、企業全体の変革への第一歩です。

本記事で紹介した代替案や移行ステップを参考に、自社に合った方法でFAX受注からの脱却を目指してみてはいかがでしょうか。その一歩が、企業の未来を大きく変えるかもしれません。

FAX受注をやめたいとお悩みの企業様にはBtoB ECプラットフォームの「Bカート」がおすすめです。導入により、聞き間違いや誤入力などの人為的ミスがなくなり、毎回発生していた確認作業も自動化することができ、業務工数・時間の大幅な短縮が可能です。担当者にしか分からない取引条件もシステムが記憶するため、属人化も解消することができます。BtoB特有の商習慣にも柔軟に対応しており、既に2,000社以上がFAX受注から脱却し、業務効率化を実現しています。

「FAX受注をそろそろやめたい」そう感じた今こそ、次の一歩を踏み出すチャンスです。この機会に、FAX受注をやめて業務効率化を始めてみませんか。

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著者について
Bカート運営部
Bカート運営部 Bcart Operations Department

BtoBならBカート!で、おなじみのBカート運営部です。BtoB(企業間取引)のEC化を促進し社会にインパクト与えます。より良いサービスをご提供できるようスタッフ一同奮闘中!